大阪大学光科学センター
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奈良高校への出張講義
2015年09月28日掲載
 

2015年9月28日に、奈良高校の1年生(約50人)に対して、「光とは何か?:光科学の招待」と題した出張講義が安食特任教授により行われました。本講義では、光の性質がどのような紆余曲折を経て理解されていったのかを通じて、光科学とその研究・関連した技術開発への興味を引きつけることを目標としました。
 光は長い間、粒子であるか波であるか論争されてきました。古くから光の干渉や回折の現象は知られていて、ニュートンも波動説と粒子説か悩んだようです。しかし、その晩年には粒子説に傾いていました。光の屈折や回折の現象を説明するホイヘンスの原理やヤングの二重スリットによる干渉実験があったにもかかわらず、当時のニュートンの権威は絶大で、フランスの科学アカデミーは回折現象を粒子説で説明できれば、光は粒子であることがはっきりすると考え、このテーマを懸賞問題としました。この懸賞を勝ち取ったのは波動説で回折現象を説明したフレネルでした。フレネルは干渉効果を考慮したホイヘンスの原理から、フレネルの式を導出しました。粒子説を支持していたポアソンは、この式を使うと球の影の真ん中に明るい点が現れるはずだと考え、アラゴがこの現象を実験で確かめました。これにより、一気に光の波動説が支持されるようになったようです。その後、水中の光の速さを調べれば正しい描像がどちらかはっきりすることが指摘されました。これは、屈折の現象を波動説で説明するためには水中の光は空気中よりも遅くなる必要があるが、粒子説では逆に速くなる必要があるからです。フーコーは自分で考えた装置でその値を測定し、水中で光の速さが遅くなることを確かめました。これにより、光は波動であることが決定づけられました。講義では、光速を測定する歴史についてもお話がありました。
 光は応用的な分野で注目されていますが、特殊相対性理論や量子力学といった現代物理学が拓かれるきっかけにもなっています。そこで、これらの現代物理学についても紹介されました。光が粒子であるか波であるかという問題は、実は量子力学により最終的に決着がつけられました。その説明として光子の干渉実験が紹介されました。講義の最後では、研究の道に進みたいと考えている方におすすめの本が紹介されました。