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高校生のためのeラーニング(原子のさざ波と不思議な量子の世界)
2015年11月13日掲載
 

 分子科学研究所教授の大森賢治先生による「原子のさざ波と不思議な量子の世界」というタイトルでeラーニングが11月13日に行われました。参加校は今治西高校、三島高校、松山西中等教育学校、奈良高校、松山北高校、尾道北高校、観音寺第一高校です。
 
 本講義では、不思議な量子力学の世界とこれを可視化しようとする大森先生の研究室の挑戦についてお話がありました。
 通常、「くじらは魚類」か「くじらはほ乳類」という2つの命題(もちろん、くじらはほ乳類ですが)は両立しません。同様に「○○は波である」と「○○は粒子である」という2つの命題も両立しないと考えられてきました。光の場合、ニュートンを中心として「粒子」とする考え方とホイヘンスやヤングらの「波」とする考え方が対立していましたが、次第に「光は波」とする見方が支配的になりました。ところが、20世紀に入り、プランクの「エネルギー量子」による黒体輻射スペクトルの解明、アインシュタインによる「光量子仮説」により、光の粒子的な性質が明らかになりました。つまり、「光は波であり粒子でもある」ということになります。逆に、粒子と考えられていた電子にも実は波としての性質があることが分かりました。さらに、電子よりもずっと大きい原子やC60(炭素原子60個がサッカーボールのような構造をもつ分子)などの分子までもが波の性質を持つことが実験で確認されています。このような量子論の世界のお話が分かりやすく説明されていました。
 さらに、シュレーディンガー方程式、ボルンの確率解釈、これに異議を唱えるために考えられたシュレーディンガーの猫のパラドックス、不確定性原理、量子力学をめぐるボーアとアインシュタインの論争、量子力学についての観測の問題の解説がありました。量子力学が始まって100年以上たちましたが、「波はいつどうやって粒に変化するのか」という科学史上最大の謎は残されたままです。分子科学研究所の大森先生のグループは光をアト秒精度(1アト秒は1千兆分の1秒)にコヒーレント制御する技術を開発し、この挑戦に挑んでいます。本講義では、この挑戦に向けたこれまでの研究開発についても詳しいお話がありました。